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2号さんと笑いのツボ [ママチャリ]

先日、馬子2号(愛自転車)がおかしくなりました。
いくらこいでもスピードに乗ってこないのです。
おまけに、ゴツゴツと乗り心地も悪い。
自分の体力がいきなり落ちたのか?と思われました。

その晩は雨でしたから「気のせい」で済ませました。
異変を感じた翌晩も同じです。もしやと思ってタイヤを触ってみました。
数週間前に空気をパンパンに入れたのに、ふにゃふにゃです。
パンクでしたか、そうですか。

仕方ないので、近所の自転車屋に引っ張っていきました。
その店の厄介になるのは初めてでしたが、自宅から一番近くて夜遅くまで開いているのは、近年にオープンしたこの店だけなのです。

店長さんは、タイヤ レバーでタイヤを外しながら、私の足元をちらちら観ていました。他人にそんなところを見られるのは、いい気持ちはしません。
彼が何を見ていたかといいますと、

その靴、安全靴ですか?」という質問が。

私は自転車に乗る時はいつもディアドラを履くのですが、それに興味を示してくれた人は初めてでした。
安全靴を買ったなじみの工具店のことを話すと、店長さんもその店を知っていました。こうなると話が早い?
馬子2号のチェーン カバーに、その店のステッカーが貼ってあるのを見つけて、店長さんがウケています。
さらに、私の自転車の鍵のキーホルダーがスタビレーなことも目ざとくみつけ、興味津々といったふうになりました。

ふと、彼の工具箱を見ますと、スタビレーのレンチに、ヴェラのドライバー。
自分と趣向が似ています。
ええ。「ドイツの工具は世界一(*'0')/ 」であります。

さて、いくら工具が進歩しても、昔も今も、パンクの修理には水槽が登場します。ところが、タイヤの中のチューブを水に浸けても、泡が出てきません。店長さんは、念のためタイヤの裏面を一周指でなぞって、踏み面に異物がはさまっていないことを確認しました。こうなると答えは一つ。
犯人は、チューブのバルブでした。バルブの中には「虫ゴム」と呼ばれる小さな部品が入っていますが、それが劣化して断裂する寸前でした。すなわち、空気をいくら入れてもじわじわ漏れてしまう状態です。
閉店間際だというのに、お騒がせしてしまいました。ところが、悪くなった部品と同じ形状のものは、この店にストックされていないようです。新しく組み込まれた部品は、かなりカッコいい構造をしていました。

これしきのことでは、代金はいくらにもならないでしょう。
なんだか悪い気がして、気になっていた他の箇所もついでに調整してもらうことにしました。

まずは、チェーンの張り具合です。
かつて、ここを調整してもらっただけで、数キロ先の工具店への到着時間が10分ほど縮まった経験があります。
チェーンは使っていると、コマとコマの遊びが大きくなって、全長が伸びてくるものです。そのまま放置しておくと、パワーの伝達ロスが大きくなって体力を無駄づかいすることになります!
店長さんは、頻繁に乗るなら半年に一度はチェーンの調整をした方がいいですよと言いました。

ママチャリの場合、「チェーン引き」という操作を行います。
分かりやすく言えば、後輪の軸を今の位置から少し後退させ、チェーンのたるみを減らす作業です。
ママチャリは、チェーンが一方向にしか廻らないため、チェーンそのものが変形してしまっていても、この操作を行うことで多少の「ごまかし」が効くそうです。
一方、高級な自転車では、変速機周辺でチェーンが、複雑な動きをするため、チェーンが変形しているとつっかえる危険性があります。
ゆえに、スポーツ車では、チェーンを丸ごと交換する作業が必要になると教わりました。ふむふむ。

チェーンを引くには、後輪に組み込まれている変速機を一度取り外すことが必要です。ところが、店長さんは変速機を分解しながら笑い出しました。
どうしたんだろう?(客としては不安になります)と思って尋ねてみたら、馬子2号の年式があまりにも古いのに呆れていたのでした。


そうでしょう。これは昭和の自転車ですからね。(-へ-)
年式が露骨に古いのは変速機の位置。変速機が車体の左についているのは、うんと年式が古いらしいです。ちょっとしたママチャリ エンスーと言えるかも知れない。
ちなみに、店長さんはこの道10年らしいですが、彼が自転車業界の門をたたいた頃は、「変速機が左側にあるママチャリ」は絶滅していたそうです。
実物に接したことがなくても、こうして分解調整ができてしまうのはさすがにプロですが、プロがツボに入るほど笑わせてしまうとは!

この他にも、ブレーキの引きしろなどを好みの感触に調整してもらいました。
これだけ作業をお願いして、2000円でお釣りがくるのですから、工賃にしろ部品代にしろ、恐縮してしまいます。

それにしても、私が工具馬鹿であり、なおかつここまで馬鹿なママチャリを乗り回していることがおかしいようです。
「あはは!ママチャリに!シールド ベアリング入りのペダルを付けてるなんて!!」
店長さんは、そうした箇所を発見するたびに大笑いして、ついには
「この自転車、僕が面倒を見ます!」と宣言しました。プロに「馬鹿認定」されたわけですね。

かくして、頼りになりそうなショップが近所にできて、自分の自転車ライフも安泰です。めでたしめでたし。


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Ten

良い整備士に巡り合えて良かったですね!!
虫ゴム、自転車に乗っていた頃はすぐに虫ゴムのチューブが劣化してしまうのでバルブタイプによく変更してました。
自転車も空気圧が命ですからね (^o^)
by Ten (2009-11-03 21:25) 

馬子

タイヤの接地面積が増加するから、摩擦が増大して・・・
と、いうことを久しぶりに体験しました。
自転車のエンヂンはおのれの心臓ですから、パワーロスは
全部排除したくなりますよね。

ちなみに、自転車の整備記録を調べたら、今回交換した虫ゴムは
5年間使っておりました。
by 馬子 (2009-11-03 21:48) 

kanchi

ウチの工具はKTCあたりが最上の工具です。スナップオンの移動販売車が整備工場に来ていたときに見せていただきましたが、仕上げは美しいし、テーパの付け方などが良く考えられていて、億万長者にでもなったらまるごと買いたいなどと思ってしまいました。

バルブの虫ゴムは炎天下に駐車しておくと劣化が早いと思います。100円ショップで買ったパンク修理キットはパンク修理をしないままバルブの虫ゴムパーツだけ使い切りました。安いから劣化が早いのですかねぇ。。
by kanchi (2009-11-05 13:56) 

馬子

kanchiさん、ラバーパーツが経年劣化するのは宿命ですよね。
ベタついたり、裂けたり…
そのパンク修理キットには、ゴムパッチも入っていますよね?
パッチを使う前に寿命がつきているような気がしてならないのですが。
by 馬子 (2009-11-05 23:07) 

kanchi

お察しの通りです。虫ゴムを使い切った時点で新たな修理キットを購入しております。

ロードバイクはパンク補修せずに交換ですし、MTBルック車はブロックタイヤのせいか、パンクに遭うことないので、パンク修理することはなさそうです。
by kanchi (2009-11-05 23:36) 

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