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剃~リンゲン [こだわりアイテム]

出勤前の5分、10分。
実に貴重な時間ですよね。

ヒゲが濃いので、どうしてもはしょれないことがあります。電気カミソリでズィ~ン・バリバリ。5分や10分、早く起きればいいものを、毎朝大騒ぎです。

週末は、そうした毎朝の義務から開放されるため、よほどのことがなければ、顔はあたりません。
その逆で、ふと思いついて、のんびり顔をあたって、さっぱりしたい時もありまして。
たまにはT字の安全カミソリを持ち出して、時間を気にせず気長にゾリゾリやっています。

さて、たまにしか使わないといっても、やはり刃物は切れ味が落ちてきます。
いつ購入したのか分からない、おそらく同じものはもう売っていないであろう替刃を使い切ったところで、次はどんなカミソリを買おうか考えました。

調べてみると、現代のカミソリは多重刃戦争状態だと分かりました。
(それさえ知らなかった)かつては2枚刃というだけでも画期的だと感じたのに、今では5枚刃だのなんだの、何枚刃をつければ気がすむのか、とどまるところを知りません。今まで使っていたホルダー(替刃ハンドル?)は、2枚刃のものしか装着できませんから、いきおい、ホルダーごと買い直しになりそうです。

あちこちのサイトで、そうした最新型のレビューを見ますと、刃が増えた弊害もあるようで、ヘッドが大きくなってしまった分小回りが効かず、ヒゲと言われて一番先に連想する口ヒゲが剃りにくいこともあるようです。

そうした最新情報ですっかり頭でっかちになったところで、またぞろ「道具にこだわる病」が頭をもたげてきました。
どうせ、お金を使わなければならないなら、流行に左右されず長く使えそうな、よりよい道具が欲しいではありませんか。
ネットでしつこく検索を続けていくと、気になるカミソリがありました。
近所のコンビニや、薬局には置いていない。そういう点からしてもそそられます。
さらに、頼れることに、刃物の街ドイツ・ゾーリンゲン製。私は、今までの人生経験からドイツ人が作ったモノは無条件降伏…じゃなかった、無条件に信頼します。やはり、ドイツとは仲良くしなければいけません。

仕事帰りに、東●ハンズに寄って、まずは相場を知るべし、と考えました。
ところが、そのカミソリは、替刃はあれど、廉価版のホルダーしか置いていないのです。むむ!しからば、デパートだ!!というわけで、地下街の雑踏を走りました。

閉店10分前に、そのカミソリの輸入元の専門ショップにたどりつきました。
店員氏にまずは話を聞いてみたところ、彼は私の顔を見るなり「お客さんもヒゲが濃いですね」とにやりとしています。

( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ナカマー!

そのカミソリとは、メルクールの両刃カミソリ
今どき、「両刃カミソリ」と言われても、すぐには形状が想像できないのですから、クラシックな商品には違いありません。

メルクールの両刃カミソリは1種類で、クラシックな形状のホルダーが何種類か用意されています。私がいいな、と感じたホルダーの現物を、ようやく触らせてもらうことができました。

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そのホルダーは金属ムクで、持ったとたんにズシリときました。
「両刃のカミソリを使ったことがないので」と、正直に伝え、一通りのレクチャーを受けることにしました。いかにも切れ味が鋭そうな、鈍い輝きの替刃の装着方法を教わったとたん、妖刀に魅入られたといいますか、衝動買いを決めました。

ボール紙の箱からそろりと顔を出したのが、型番700S、"FUTUR"というホルダーです。専用の替刃は10枚入り。
外箱のデザインが素っ気ないところが「道具は実力で勝負なのだよ」という雰囲気を漂わせています。

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さっそく替刃を装着してみましょう。
ホルダーのヘッド カバーを引っぱると、シンプルな内部機構がむきだしになります。
カバーの着脱具合も、実に節度良く調整されています。

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ホルダーの説明書(数ヶ国語で書かれています)のうち、英文のところを一通り読んでから、同梱されている見本の替刃を取り出します。
昔は、カミソリといえばこんなデザインでしたね。
厚さは0.15mmほどの、実にペナペナした、それでいて鋭そうな替刃です。
袋から取り出すときに緊張しました。取り扱いを誤ると、指先をスッパリ切りそうな雰囲気なので「安全カミソリ」とは違いますね。ここからして、真剣勝負。

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替刃を本体に装着し、カバーを取り付けます。

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このホルダーには、ちょっとしたギミックが内蔵されています。ハンドル部分を回転させると、「替刃の刃先角度」を6段階で変えることができます。これは目盛が「1」の状態。肌に対して、刃先が最も鈍角で当たる状態です。

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ハンドルを回転させて「6」の目盛に合わせると、ハンドル内部に変化が出ているのが分かるでしょうか?
ヘッドの内部に隙間が出来て、(ヘッドがせり上がる)その結果、肌に対して、刃先が最も鋭角に当たる状態になります。
この違いは、後の実験で体感できました。

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このメルクール、あまたのサイトで

「取り扱いにはスキルを要するゾ」
「慣れないと顔面が血だらけになるよ~」

という先人の教えがありましたので、いきなり実戦で使うのはちょっとこわい。
差し障りのないところで、指に生えている毛を剃ってみました。

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「ぞりっ」という感触が、普通の安全カミソリとは異なります。
おそらく、この極薄の刃がしなりつつ、体表にあるものすべてをこそぎ落としている、といいますか、ゾクゾクする感じです。
銭湯やビジネス ホテルに置いてある、ディスポのカミソリでは、ついつい鼻歌で「逆剃り」もしゃこしゃこやってしまいますが、メルクールだとそれが許されないと直感しました。


剃ったところは、まるで足の裏のようにツルスベです。
「おぬし…できる…」

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刃物で感動したのは久しぶりです。
とりあえず、買ってから10年以上寝かせておいたガラスの皿に乗せて、記念撮影。

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これは、今晩実力を試さずにはいられない!さっそく、風呂場に鏡とシェービング ジェルを持ち込んで、「男の実験」をしてみることにしました。果たして血まみれになるかどうか?
勝手がまったく分からないので、ハンドルの調節ダイヤルは「1」にセットしてみます。

先ほど店員氏に教わったり、ネットで得た情報の通り、まずは顔をよく洗って、余分な脂を落としてから、少し顔面をマッサージしてヒゲを立たせることを心がけました。
ゆっくり頭や身体を洗い、半身浴をして、汗だくになり毛穴が充分開ききったと思われたらジェルを顔面に塗りたくります。

まず、面積が大きく剃りやすい頬に関しては、驚くほど良く剃れました。
電気カミソリにせよ、安全カミソリにせよ、自分は片方の手で意識して肌を引っ張り上げるようにしていないとさっぱりと剃れないのです。
手法はいつもと同じなのに、逆剃りがまったく必要なく剃れたので、その切れ味に畏れをなしました。

顎の下や頚周り(喉ボトケの辺とか)は、おっかなびっくり剃りました。
不注意で血まみれになっては明日の仕事にさしつかえます。
刃とヒゲがまさに当たって切れる寸前の「チチッ」という小さな振動が、ハンドルを通じて手に伝わってきますが、それが実に小気味良いです。
トリセツに「あなたは熱狂的な愛好者になるでしょう(意訳)」と書いてありましたが、決して誇張ではありません。

今まで、思うように剃れなくてジョリジョリ感が残るのは、顎の付け根のエラの辺りでしたが、ここも難なく剃れました。これは痛快です。
ヘッドを無理に押し当てて、力を入れる必要はまったくありません。
ホルダーにある程度の重さが持たせてあることが功を奏しているようです。そもそも、切れ味が良ければ肌に押し付ける必要もないわけで、とても気に入りました。

鼻の下は、若干剃り残してしまいましたが、初回としてはこれで充分です。
今後練習を積んで、このドイツの切れモノを使いこなそうと思います。

ところで、風呂上りに、ハンドルのダイヤルを「3」にセットして、もう一度頬を当たってみました。
すると、同じ替刃なのに、今までと使い勝手がまったく違うものになりました。
刃先がヒゲとせり合って「チリチリ」する感触がなくなり、滑らかに「シュルン」と皮膚をなでていくようです。刃先が寝てきたために、当たりが変化したというわけですね。

メルクールすげ~!! Σヽ(゚Д゚; )ノ

このダイヤルを操作して、自分の肌や好みに合致するセッティングを探す楽しみがあるということです。

これは凄い道具を買っちゃった。

なんだか、あちこちの体毛を剃りたくなってくると同時に、愛用の電気カミソリが急激に輝きを失っていくようでした…(同じドイツ製なのに)


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Ten

両刃のカミソリ、画像見るまで形を思い出せませんでした。
カミソリの刃を見て昔こういうのもあったなーと。
メルクール、いろいろな種類があるんですね~
ホルダーをメンテするのも楽しそうですね。ちょっと欲しいかも。
by Ten (2009-02-18 20:45) 

馬子

Tenさん、自分も「恥ずかしながら」です。
包丁の「片刃」と「両刃」のような違いかと思っていました。
気に入ったので、今夜も風呂に入りつつ顔をあたってみようと思います。
by 馬子 (2009-02-18 21:17) 

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