後戻り、できる?できない? [工具・DIY]
部屋の寸法にぴったりだし、材料に桐が使われている。まだまだ使えると思います。
ふと気がつくと、扉の裏側に提げてある鏡を固定しているスクリューが緩んできました。ドライバーで締め直してもブラブラなので、孔がバカになっているようです。
この扉はおそらく中空。たかだか数ミリの板材に、重い鏡をネジ止めしてあること自体に無理があるといえますね。
この際ですから、鏡の落下予防で(想像したくありません)固定をやり直しておきましょう。鏡を慎重に外し、板の厚さを測ったり、予備調査をしておきます。
バカになった孔(石膏ボードに開けた孔とか)や、中空の板材にスクリューを効かせる救済措置にはいくつか方法があります。かつての使い残りの小物を探してきました。「ゴムアンカー」と固定用ボルトのセットです。
アンカーのサイズがいくつかあり、この扉の板の厚みが、たまたまこのセットに適合することが分かりました。
説明書に従い、元の孔を黙って開大します。木工用のドリルでドカンと大孔を開けてしまうと、「もう後戻りできない」気持ちになりますね。合掌。
この大孔にアンカーを入れ、鏡に通したボルトをアンカーの孔に入れます。
アンカーの先端には、ナットが仕込んであるそうです。ボルトをゆっくり締めていくと、アンカーの先端のナットと噛みあいます。なおもボルトを締めていくと、ナットが「後戻り」をして…手元に引き寄せられてきます。
引き寄せられたゴムは徐々に変形してつぶれ、板材の向こう側で「膨らんで引っかかる」ことになります。これにより、中空の板材に強固な足場が作れるという仕組み。このままボルトを最後まで締めれば品物の固定も兼ねて完了です。
ここまでは順調でしたが、鏡の厚さがかなりあるため、セットに入っているボルトでは長さが足りませんでした。ここまでが昨夜の話です。
今日の昼休みに、慌てて同径で長いボルトを探しまわったというドロナワでした。
このアンカーを使うのは二度目です。
前回は、これを使って、板張りの壁に額をかけるためのフックをつけました。
ボルトを慎重に締めていかないと、ゴムアンカーの効果が得られません。ところが、今回取り付ける鏡がかなり重いときている。片手で鏡を支えつつ、もう片手でボルトを確実に締めるには?
通常のドライバーの場合、必ずハンドルを握り直す動作が要求されます。
ラチェット式の工具では、ハンドルを空転させる動作が無駄な回転となります。元より、このように手元の空間が空いている作業で用いる工具ではありません。
Tハンドルの軸を片手で押さえ、もう片手でT字の横棒を回転させるのも、「スピードと連続回転」の点では理にかなっています。けれども、今回は腕がもう1本足りませんね。
工具箱をひっくり返して、こんなものを見つけました。
所有していることを忘れていましたが、ベルツァー社製の型番6952、1/4"sqのブレースです。先端にアダプターを連結して、ドライバー ビットを装着しました。小型のブレースは、ちょっと珍しいアイテムです。
ブレースは「連続的にテンションをかけつつ回転」させることができ、今回のような作業に向いています。別名「スピーダー」と呼ばれるのもこのためで、電動工具が使えなければ、最も速い手回し工具かも知れません。
ブレースの後部に付いている円盤を、自分の身体で押しつけるようにして回転させれば、安定して回転させることができました。(周囲に映っている雑然としたモノは、スルーでお願いします)
古い家具を長く大切に使う。
具合が悪くなれば修繕する。これも楽しき哉。
ブレース、最初見た時はどうやって使うんだ?と思いましたが、
そういう使い方なんですね( ..)φメモメモ
いつもながらマニアック過ぎますw
by Ten (2010-01-10 02:33)
ブレースも、コの字の曲がり具合に各社の見識のちがいがあります。
工具店で眺めてみると面白いですよ。
by 馬子 (2010-01-11 08:45)