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ローマは一日で見終わらず(2) [ドライブ・旅行]

一人で歩き回っていると、休憩するのも自分の裁量ひとつです。
食べられるときに食べ、出せる時に出せ」というのが旅行の鉄則でありますから、一人旅であれば、自分の本能の命ずるままに行動するのがよろしい。

ホテルの朝食…濃いめのコーヒーも、チョコレート入りのクロワッサンもおいしかったけれど、街中のイタリア料理はどんな味?
さんざん迷って、とあるピッツァ料理店へ入りました。

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ここでは、何種類かのピッツァをショーケースの中に並べていました。
メニューのイタリア語が読めませんから、直感でおいしそうなのを指さします。すると、雑誌くらいのサイズの四角いピッツァをオーブンで温めなおして出してくれます。この大きさで、日本円換算で数百円。

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チーズとトマトで埋めつくされたこのピッツァ、本物はこうなのかと感心したことがあります。このくらいの大きさのピッツァをひときれ、皿から取って口に運ぼうとするとどうなりますか?
このピッツァ、ひときれがダラんとおじぎしないんです!
それほど生地がパリっと焼きあがっているわけでして、シンプルでしつこくない味と相まって、実にうまかったですね~。


エネルギーが満タンになり、再び歩き始めました。
次なる問題は、自分の下腹部の泉です。
困ったことに、ガイドブックに書かれているとおり、ローマ市内は公衆トイレがほとんどありません!これは大ピンチだ。
何しろ、途中で立ち寄ったショッピング モールにさえなかったくらいです。

ガイドブックには、なんとか広場の地下にトイレがある、と書かれているので直ちにその場所へ急行しました。確かに、地下へ降りる階段がありますが、勝手が分からない外国では勇気がいりますね。
有料トイレだろうがなんだろうが、こちらはさし迫っている!

降りていくと、意外にも清潔なトイレで無料でした。
ただ驚いたのは、個室の中の照明が青色?だったことです。
最近流行りの「駅のホームのはじっこの自殺防止照明」を連想させる色なんですよ。
ジャケットの内ポケットに挿してあった蛍光ペンのキャップが不気味に光って見えたので、いわゆるブラック ライトではないかと思います。必要性がわからないので、気味が悪く、長居はしたくないと思いました。

あ。まさか客の回転効率を上げるため?

ようやくすっきりしたところで、本日のミッションも折り返し。
名物を忘れずに味わいましょう。先ほどのトレビの泉の近くで、ジェラート店に入りました。
小さ目のコーンを指定し、それにジェラートを盛ってもらったのですが…

やられました。なんとゆー景気よい盛りかた!!ヽ^Д^ノ"
驚いていたら、店の女の子に「バニラだけ?」と尋ねられました。
素早く周囲を見渡すと、このサイズのコーンでは2色盛りが当たり前らしい。

「ローマではローマ人のするようにせよ」

これは「郷に入っては郷に従え」という諺の英語バージョンであります。
実は、どちらにしようか迷っていたもう一つの味…チョコミントも盛りつけてもらいました。
トドメに、頂上に小型のコーンを突き刺してもらい、ローマ風ジェラートの完成です。なぜスプーンが添えてあるかはご想像がつくと思いますが、あまり味わっている余裕はありません。ジェラートがどんどん溶けてしたたってくるので、急げ急げ。
気がつくと、食べ終わった後に砂糖が口の中にあまり残らない味でした。

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ローマ市内で驚かされるのは、横断歩道に信号がほとんどないことです。
そうなると、老若男女「みんなで渡れば怖くない」を実践しなければなりません。車道を突っ切るのは勇気が入りますが、慣れたものでバスもトラックも必ず止まってくれます。それもかなりの寸止めで。

ふと立ち止まって、建物を眺めるだけでも、時間がどんどん過ぎていきます。
屋上に鐘楼があったり、古風な飾り屋根があったり。
写真の空がやたらに青いのは、デジカメの発色の特性もあるかと思いますが、露出補正を少しアンダー気味に調整してあるからです。
やや作為的ですが、この場所では雲がきれいだったので撮りました。

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次なるスポットは、真実の口です。
どこかの路地の奥の壁にでもくっついているのだろうと考えていたら、予想とかなりちがっていました。
「教会の壁にある?」
どうやら、公共物というよりは、特定の教会の所有物のようですね。

探し回っていると、道路の反対側の教会に人だかりができています。
ああ、あれだあれ!
近寄ってみると、まずはこんな具合でした。しかしでけ~!!

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教会の外壁には鉄格子がはまっているので、入口を探すことになりました。
行列の後ろに並ぶと、賽銭箱が置いてあり、見学には50セント喜捨することになっているようです。
しかも、番人がいて、一人が長時間真実の口を独占しないように見張っていました。張り紙には「撮影は一人一回」と大書きされていましたが、私は「英語が分からない東洋人が自分撮りがうまくいかない」ふりをして、何回かシャッターを押すことに成功しました。
規則がなければ、お約束でもっとボケた写真も撮ったのですが。

この写真は、エイヒレを胸ポケットに突っ込んだオッサンが真実の口に手を入れているのですが、さすがにトリミングさせていただきました。

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私はキリスト教徒ではないので、肝心の教会の内部はろくに眺めずに出てきてしまいましたが、この教会も由緒正しいものだそうです。

急に開けた場所に出てきましたが、ここは戦車競争が行われた競技場の跡だそうです。東京なら、こんな空き地があろうものならうっかり無計画にビルを建てたりしそうですね。

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ここも、よく分かりませんが、とにかく遺跡です。
どの遺跡も、立ち入り禁止の区域は周囲にフェンスが張り巡らせてあるものの、人が入れる遺跡の敷地内は何百年も時計が止まったままのようです。誰が発掘したか知らないが、倒れた柱も食器のかけらもそのまま、といった印象を受けます。やろうと思えば、出土品のかけらだって持ち帰れるのでは。
なんだか、「これ以上掘ってもキリがないから発掘や~めた」という感じがしました。

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観光の最後に、コロッセオの中を見学してきました。
中へ入ると、現代の技術で入念に補強されているのが分かります。
観客席から見降ろすと迫力にのまれます。ステージの床がなくなり、地下の構造物が良く見えます。猛獣を収容しておく檻があったと言われていますが、廃墟となってしまった今は、不気味な柱群が残るだけです。

このように、手前のエイヒレにピントが合って遠景がボケた写真を撮ると、背景がCGで合成されたような錯覚を覚えませんか?そう思えてくるほど、自分がこんなに荘厳な遺跡の中に立っているとは信じられなくなってきました。

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翌日の商用も無事に終わり、公私共に充実した出張となりました。

自分へのご褒美は、この一品。
ローマ市内でMADE IN ITALYの品物を探すのは意外と苦労しました。
そんななか、とある化粧品店のショーウィンドゥでこのヒゲブラシを見つけ、速攻でゲットしてきました。
帰国してから調べたところ、これはKOH-I-NOOR社の№079KM、アナグマ毛使用のヒゲブラシです。
このコヒノール社は、アメリカの某通販サイトによれば、元来チェコの文具メーカーであったのが、1950年代にイタリアの企業がブランド名とノウハウ(絵筆作り?)を買い取り、イタリア国内でブラシの生産を始めたそうです。

現在愛用しているメルクールの替刃ホルダーに、このブラシの表面仕上げがそっくりだったので即買いしました。初めからペアの商品のように見えて嬉しいものです。

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現在使っている、ハンドルが大理石模様でプラスチック製のヒゲブラシも同じくイタリア製です。こちらが実に長持ちしそうなので、この新しく買ってきたヒゲブラシの出番は当分先になりそうなのが残念ですね。


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らいち

イタリアですか・・・出張でもうらやましいです!
エイヒレも海外初遠征ですね。アタリメはお留守番か~

チョコミントのジェラート、「チョコ」の粒が見えませんが、これがローマ風?
しかし、背景はものすごい数の人ですねえ。みんな観光客なのでしょうか。
by らいち (2010-10-15 16:45) 

馬子

らいち殿、ジェラートは携帯のカメラで撮影したので、チョコの粒が
うまく写っていませんな。
背景は、全員観光客です。その他はローマ市の警官と掃除の人、
あとはお店の人という光景。
日本でも、ここまで外人に占拠されている場所はないのでは?
と思いました。
by 馬子 (2010-10-16 16:50) 

馬子

syuwatchさん、BURUさん、ごぶさたです。
nice! ありがとうございました。
by 馬子 (2010-10-17 20:17) 

Ten

本場のピッツァ、美味しそう!!
観光には良いところなんですね~
トイレが少ないのはちょっと困りますね (^_^;)
by Ten (2010-10-23 01:27) 

馬子

Tenさん、こんばんは。
人が集まるところなのに、トイレがないとは!(教会の中にも見当たり
ませんでした)      
日本はかなり整備されていると感じます。
by 馬子 (2010-10-23 01:46) 

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