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先生のご褒美 [ママチャリ]

昨日は天気が良かったので、温めていた計画を実行に移しました。

目的地周辺には駐車場がないとふんで、馬子2号で出動です。
ε=ε=ε=┏(  ^Д^)┛ワンダバダー!!
余談になりますが、ママチャリで出かけるにも、スピード メーターをつけてあると楽しくなります。今日はどれくらい走ったかが判ると、運動の達成感もあるというものですね。

さて、今日の徘徊のテーマは「」でした。
出発点にふさわしいのは、近所にある目立つ柳の木です。
柳の木にしては大きく立派なので、子供の頃から意識していました。
ちなみに、この写真を撮った地点は、「JAF Mate」誌に連載されている「危険予知」のコーナーのロケ地になったことがあります。

柳の木の傍には川が流れています。雨が降ったときだけ流れができるドブ川なんですが、水や川が好きなので、できるだけ川沿いの道を走っていくことにしました。実は、この川をたどっていけば目的地に着くのです。

 

しばらく走ると、ドーム状の建物が見えてきます。

これは一部の建造物マニアには有名な給水塔で、現在でも稼動しているようです。数年前に訪れたときは、災害時にここから区民への給水を行うという看板がありました。

 

さらに川沿いに走ること数キロ。橋を渡って、自転車をこいで登れない急な坂道を登りきったところにお寺があります。Ωヾ(-"-;)南無南無。。。。

目的は、内田百閒こと内田榮造先生のお墓参りをすることでした。
最近、趣味の先輩に薦めれて読み始めた百閒先生の著作にはまっており、絶版になってしまった文庫本を買い集めています。
巻末の解説によると、先生のお墓が家から近いことを知り、ぜひお参りしなければとやってきたのでした。

それにしてもおそろしい時代です。インターネットには、自分と同じような信奉者が先生のお墓参りをした画像をアップしていました。
さらに、Google Earthを使って墓地を調べてみると、何と墓石の一つ一つが判別できるため、画像の背景に映っている建物の特徴と位置から、先生のお墓の見当がついてしまいました!

おかげで、難なく先生のお墓へたどりつくことができました。
お隣は奥様のお墓とのことです。

先ほど急な坂道を登ってきたことからも知れるように、この墓地は高台にあって眺めが良く、都心のビル群が見えます。
先生の戒名は「覺絃院殿随翁榮道居士」。先生の詠んだ句碑も建っており、それには「木蓮や 塀の外吹く俄風」と刻まれていました。面白いのは、墓石の前に大理石の「名刺受け」が建っていることです。これは初めて見ました。ここへ名刺を入れておくと、どなたの目に触れるんでしょうか?

お墓に水をかけた後、お供え物を用意してこなかった失態に気付きました!
これはしたり。ファン失格であります。_| ̄|○
先生がお好きなものは…。(・ー・)b 私のポケットにいつも入っているではないですか。

先生はタバコがお好きだったので、まとめて3本「ふかりふかりと」火をつけて、
-t( ^o^)。o 0 それをお供えして拝みました。ただし、先生のお好きだったタバコはかなり強いものだったと思われるので、「フィルター付きニコチン1mg」では、かえってご機嫌を損ねるのではないか知ら…。

 

念願がかない、再び自転車を川沿いに走らせます。
以前から気になっていた公園を訪ねました。
母校の近くにあるのに、学生時代に一度も足を運ばなかった場所です。

坂道の途中に、道を挟むようにして公園の入口が二箇所ありました。
右側の公園は、門から中を一望できるくらいの広さで、雑誌か何かで見かけた、うっそうとした園内の雰囲気とは違いすぎます。


「こんなはずでは…。」と悩みつつ、坂道を横切って反対側の門をくぐってみると、そこはせせらぎのある森のような場所でした。

紅葉している木もあり、人も少ないので、ちょっとした穴場ですね。
これだこれだ!と小躍りして奥へ入ります。意外と奥行きがあり、せせらぎがいつしか池になりました。

家には、鴨が数羽、置物のようにじっと休んでいました。ときどき、池の鯉が水面に浮かんできては水音を立てる他は、自分が落ち葉をさくさくと踏む音しか聴こえません。
園内は起伏に富んでいるので、散策が楽しめます。

 

本日最後の目的は、古本屋街へ行って、百閒先生の著作を探すことでした。
20年前の文庫本ともなると、さすがに見当たりません。(T∇T Ξ T∇T)
ところが、とある本屋へ入ってみたら、棚の上の方に、集めている文庫のシリーズがまとめてビニールに包まれているではありませんか。

生唾を飲み込んで、冷静に値札を暗誦しながら、近くのATMへ駆け込んで軍資金を調達、上ずった声で店員さんにあれを取って欲しいと頼みました。
既に手元に集まった本とかなりダブってしまいますが、今後も探し続ける労力を考えたら、お金は惜しくありません。何しろ全39冊のうち、欠品が3冊だけ、値段も納得というセット売りでしたから…。ヽ^Д^ノ

文庫本とはいえ、30冊あまりを袋に入れてもらうと、ズシリときました。
夢心地で店を出てから現実へ引き戻されます。

 

今日、自転車で来てたんだっけ…。・゚・(ノД`)・゚・。

 

気がつけば、辺りはすっかり暗くなり、前カゴに入れた本の重さにハンドルを取られながら、家路に着くことになりました。
これは、ご利益かも知れません。先生からお墓参りのご褒美を頂いたようで嬉しかったのですが、まずは自転車をこいで家に帰ること。それからこの本の山を読破して心の糧にすること…。試練はまだまだ続きます。

 

買っちゃったよ…。

 

 

家にたどりついたら、自転車のトリップ メーターが30kmをさしていました。
ママチャリの走行距離にしては、まあまあですかね?


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コメント 6

シバッチ

黒澤明晩年の作「まあだだよ」のモデルになったのが、内田百閒とその弟子たち
(阿川弘之とか)の交流でした。
「阿房列車」シリーズは、鉄道紀行ものの先駆けですね。
by シバッチ (2006-12-17 22:48) 

馬子

>シバッチ君
久しぶり。
仕事でもなく、物見遊山でもなく。当時は珍しい道中だったに
違いない。
あの人は奨められても現地で観光しないし、しかも従者が「雨男」と
きたもんだから、旅館に居座って飲み食いしてる描写の方が印象に
残るんだよね。
by 馬子 (2006-12-17 23:27) 

Ten

文庫本探索お疲れ様です。
お墓参りした甲斐がありましたね。
残り3冊も見つかると良いですね (^o^)
by Ten (2006-12-18 22:42) 

馬子

Tenさんの愛読書はなんですか?
次の記事もそうですが、この週末は見境がありませんでした…。
中途半端はいけないと思うので、残り3冊も時間がかかっても
見つけたいと思います。
by 馬子 (2006-12-19 00:07) 

ちぃ

すごいね~!
乗り心地が気になります~
やっぱ元はママチャリだし、重いのかな?

給水塔、大好き!
世田谷の駒沢給水所は、一昨年見学会に参加してきました!
http://www.eg.kokushikan.ac.jp/tech-j/Ug/civil/komazawa/komazawa.html
この画像の給水塔も素敵~♪
by ちぃ (2008-05-06 09:47) 

馬子

馬子2号の乗り心地は、ご想像のとおり、重いの一言です。
フレームがごついですからねぇ。
坂道で油断してると、「アシスト付きチャリ」にぶち抜かれる始末・・・

給水塔は、これと瓜二つのものが板橋にもありました。
もちろんそちらも拝んできましたが、数年前に解体されてしまい残念です。
by 馬子 (2008-05-06 13:40) 

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