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だっこは愉し! [ぬこ]

平日はコンクリートとITに囲まれて仕事をしている身としては、休日は自然や野生に触れるのも良いものです。

家から遠くない公園には、野生のぬこが何匹も棲んでいます。
彼らの世話をする代わりに、「冬ねこ」ならではの柔らかなアンゴラのような手触りを堪能させてもらう。何とわかりやすい愉しみでしょう。

 

のらぬこにも縄張りがありまして、たいてい同じ場所でゴロゴロしております。
駐車場に馬子号をネジ込んで歩いていくと、公園の入口のベンチの上には全身真っ黒なぬこがいます。
逃げないのをいいことにふんづかまえて、ブラシで容赦なくとかしてやると、顔をくしゃくしゃにして迷惑とも陶酔ともつかぬ表情して「うにゃーうにゃー」鳴くのが特徴です。
黒ぬこは、古代文明の壁画に猫かれ…もとい、描かれていそうな気高さを感じますね。

 

次に会ったのは、片目を病んだぬこでした。元気がないし、毛づやも悪い。
だけど、食欲は旺盛でした。初対面なのに、にぼしをむしゃむしゃ食べてくれます。人間に媚を売ろうが泣きつこうが、一食でも多くありつかなければ枯葉の上で冷たくなってしまうかも知れない。路傍の畜生といえど、生命力を感じずにはいられません。
それに引き換え自分は…。飢えた経験がありません…。

 

「ぬこの泉」は、今日も大繁盛でした。この公園を訪れる人は、たいてい池の周りの遊歩道を歩いて野鳥や魚に見とれてしまうので、ちょっと高台にあるこの泉にやってくる人は少ないと思われます。

今日心配だったのは、前回訪れたときに、耳に大怪我をしていた「アトム君」でした。
あれから傷がひどくなり、目も当てられないことになっているかも知れない。それならいっそ、この場に現れないで欲しい…、などと、勝手なことを考えながら丘を登っていきました。

そこには、いつもクールなアトム君が日向ぼっこをしていました。
傷口も治りつつあり、後は毛が元どおりに生えそろうだけ、といった状態です。野生動物の生命力に感心してしまいました。


「良かったねえ」と、いつもの1.5倍ぐらい(当社比)とかしてやると、「なんだよぅ、いつもよりしつこいな」という表情をするので安心しました。

 

今日は、アッサムちゃんが初めて膝に乗ってきました。ところが、デジカメを「自分撮影モード」にしてかざしたところ、驚いたのか逃げてしまいました。いいでしょう。「にぼしのおじちゃん」の名誉にかけて、挽回していきます。

 

でっぷり太った独特な毛色のぬこは、今日も悠然と膝に乗ってきました。
白とも灰色ともつかぬ印象的な色をしていますが、名前も知りませんでした。(「ラブちゃん」というそうです。)
これは、この「ぬこの泉」において、最も人懐こいぬこでして、私が丘を登ってきたときは、他のカップルの膝の上に合体して、富士山の裾野のようにべったりくつろいでおりました。おかげで私は、十数分、順番待ちを強いられたのです。


もののたとえで「ハトは平和のシンボル」と言われることがありますが、私は「人の膝の上でうたた寝をするぬここそ平和のシンボルである」と思います。確かにハトものどかなものですが、彼らは「集団トランス状態」に陥ったようで挙動不信であり、落ち着きがなく、見ているこちらが不安になるときがあります。その点、このぬこのくつろいだ様はどうですか!

 

「おじちゃんはもう帰るからね。降りようね。」と、ぬこを膝から抱き下ろして帰ろうとすると、別のぬこが寄ってきました。どうやら、順番待ちをしていたのは私だけではなかったようですね…。

 

ぬこの泉の住人との交流を果たし、駐車場で待たせている馬子号の元へ帰る前に、池のほとりの小さな祠をのぞいていこうと思いました。
それがいけなかった。いつものぬこにつかまってしまいました。


私がブラシでとかしてやることによほどの恩義を感じたらしく、目が合うと一直線に寄って来るのだからしょうがない。
そして、迷わず膝の上にシュタッと合体。この場所は人目につくので、私は見知らぬ人々の好奇の視線にさらされることになります。しかし、それを差し引いても得られる、この充足感はなんでしょう。

 

2時間あまり、野生と交流して帰宅し、馬子号を久しぶりに洗車しました。
こちらは怪我して血を流したり鳴いて訴えたりすることはありません。現在不調もなく、ブログネタにならないのがいいような悪いような…。(写真も撮ってないし)


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